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ざばっ 「ふうう・・・・」 その日蒼星石は洗面器の風呂に入っていた。 がらっ 「?!」 ずるっ ばちゃーーーーん マ・蒼星石? 蒼・ごぼごぼ・・・・ごふっふぁ・・・・ふ・・た・・あふぁふふぇふえ・・・・ 蒼・はっマスター? マ・蒼星石! どうやら蒼星石はマスターに助けてもらっていたのだ 蒼・ハっ服きてる・・・・・・・まさか・・・ 翠・蒼星石!! 蒼・翠星石?なんで・・・・・ マ・大変だったそうだよ服きせるのが・・・ 蒼・よかった・・・・・・ マ・もう落ちるなよ 蒼・はあい・・・・ そして・・・・ 翠・そーせーせきっ一緒に寝るですよっ! 蒼・え・・・えええ?う・・・・うん そして二人はおんなじ鞄で寝たという・・・・ 終わり 続きはこんど
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LV0 蒼星石?どうせただの第4ドールだろ?どうでもいいよ… LV1 絵はあんまり萌えアニメっぽくないな。ってか梅岡は何で出てくんの? LV2 髪型は綺麗だな。翠星石もツンデレだし結構いいかも。 LV3 蒼星石って女神じゃね?理想の嫁って感じ・・・ LV4 信頼度微の蒼星石ってかわいいな。Sなところもいい・・・ LV5 梅岡って嫁宣言するたびに出てきてうぜぇ。梅岡死ね! LV6 梅岡結婚してくれ! LV7 やべぇ蒼星石最高!蒼星石と水さえあれば生きていける! LV8 蒼星石と結婚した!俺は蒼星石と結婚したぞ!! LV9 やっぱ蒼星石は最高だわ MAX 蒼星石とちゅっちゅしたいよぉ~
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※○○には適当に自分の名前を脳内で入れてください 秋も深まってきた頃… 今日はマスターが文化祭で学校に出かけてて 僕一人お家で留守番の日曜日です。 翠「お邪魔するですよー」 蒼「やぁ翠星石、いらっしゃい」 翠「あれ、今日はダメ人間居ないのですか?」 蒼「マスターは学校だよ、今日は文化祭なんだって」 翠「へぇ~、日曜日なのに大変ですねぇ、 からかってやろうと思ったのに残念ですぅ」 蒼「ん?何だろうこれ…」 机の上に小さな冊子が置いてあった 僕はそれを拾って読んでみた 蒼「これは…マスターの学校の文化祭のパンフレットだね 保護者来賓可だそうだよ、ご丁寧に学校の場所まで書いてあるね」 翠「私達に来てくれって言ってるような物じゃないですか!」 蒼「ふむ、たまにはマスター達の学校にお邪魔するのも悪くないかも」 翠「ほらほら、さっさと行くですよ!」 蒼「ちょ、ちょっと待ってよ!この格好だと流石にまずいよ…」 翠「ふーむ…それもそうですね…」 蒼「あ、そう言えばクローゼットに…あった!」 僕はクローゼットの中から小さな女物の服を2着引っ張り出した。 翠「な、何でこんな服がダメ人間の家にあるんですかぁ!」 蒼「た、たまにマスターが僕に着せてくれるんだ(///)」 翠「なあっ!あのダメ人間は蒼星石にこんな服を着せて喜んでるんですか!?」 蒼「う、うん…(///)」 翠「許せねぇですぅ!ほら、さっさとあの人間をとっちめに行くですよ蒼星石!」 僕が白色、翠星石は黒色のワンピースに着替えて マスターの学校へと歩き出した。 翠「うぅ…なんで態々徒歩なんですか…鞄で飛んでいけば一瞬じゃないですか…」 蒼「仕方ないでしょ、あんな大きい鞄持っていったら目立ってしまうじゃないか 幸い学校も近いし、これ位は我慢しなよ」 翠「確かにそうですけど…」 蒼「ほらほら、音を上げるにはまだ早いよ。」 学校に着くまでそんな他愛も無い話をしながら 僕と翠星石は歩いた… そしてマスターの学校の前に着いた。 翠「へぇ、これがあのダメ人間の通ってる学校ですか…思ってたより大きいですね」 蒼「うわぁ、人が一杯居るよ…この中からマスター見つけられるかな…」 やはり文化祭という大きな催しなだけに人も溢れていた 何処に行けばいいのか分からず途方に暮れてると女性が僕達のほうへやってきた 女「あら、可愛らしいお嬢さん達ね、誰か探してるのかな?」 翠「えっと…あの…頼んだです蒼星石!」 そう言って彼女は僕の後ろに隠れた 蒼「ごめんなさい…彼女とても人見知りなんですよ…」 翠「そ、そんな事はどうでもいいじゃないですか!それよりもあの人間の居場所を聞くですよ」 蒼「そうだね、あの…マスt…じゃなかった○○さん何処に居るか分かります?」 女「○○君なら同じクラスだよ、今は多分店番してた筈だから教室まで案内しようか?」 蒼「では、ご好意に甘えさせていただきますね。」 こうして僕達はマスターのクラスメイトだという女性に案内され マスターが居る教室に向った、そして… 女「○○君にお客さんだよー小っちゃい女の子が二人居るけど…親戚の子?」 マ「俺に客?何かの間違いじゃないか?大体年下の親戚なんていな…!?」 蒼「えへへ…遊びに来ちゃいました」 翠「態々翠星石様が来てやったんですからありがたく思うですよ。」 マ「ちょ…まじでか…ちょっと店番頼んでいいかな…?」 女「いいわよ、楽しんでらっしゃい」 マ「サンキュ!恩にきるぜ!」 マスターは彼女に店番を任せて僕達と一緒に行動する事になりました 蒼「でも良かったの?店番をあの人に任せちゃって…」 マ「どうせもうすぐ交代の時間だったからね、少しぐらい平気さ」 翠「ほらほら!さっさと私達をエスコートするですよ!」 マ「はいはい、分かりましたよお姫様方」 そしてマスターの案内で学校を回っていた しばらく校内を適当に回った後… マ「まぁ、ざっとこんな物かな?」 蒼「ねぇマスター、所々でお店をしてるみたいなんだけど…」 マ「あぁ、この学校では1クラス1個何かしらのお店を出すんだよ」 翠「いくらか興味深い店があったですぅ、さっさと回ってしまいますよ。」 マ「ふむぅ、僕も少し興味ある店があったから一緒に行っちゃおうか」 そしてまず、マスターの興味があったというお店に入ることにした しかしそのお店は… 店「お帰りなさいませご主人様」 所謂メイド喫茶だった… そもそも学校でこの様な店を開いてもいいのだろうか… 何故教師は止めなかったのだろう… と様々な疑問が頭を過ぎって居るが 僕のマスターはそんな事を気にせずただ目の前に居る メイドの格好をした女生徒に夢中になっていた そんなマスターを見てると何故か胸が締め付けられるようだ… 翠「ダメ人間も下劣なオスだったのですね…失望したですぅ…蒼星石?」 蒼「うわぁぁぁぁぁん!」 気が付いたら僕は目から雫を流しながら行く宛も無く走り出してた マ「蒼星石!」 後ろからボクを呼ぶマスターの声が聞こえたが構わずに走っていた とりあえず涙が止まるまで体育館の裏手に隠れる事にした 蒼「うぅ…僕は…こんなにもマスターの事が好きなのに… マスターは違う女の人ばかり見て…」 時間が経てば経つほど悲しみがこみ上げて 目から溢れんばかりの涙が出て来る… そして20分程僕はすすり泣いていた 女「あら…あなたは○○君の…」 マスターのクラスメイトの女性の方がこちらを見て 驚いたような顔をしていた 蒼「あ、マスt…じゃない○○さんのクラスメイトの…」 女「ふふふ、私の事は広美でいいわよ。」 蒼「広美さん…ですか」 広「それよりも○○君が血相を変えてあなたを探してたけど…どうしたの?」 僕は広美さんに今まであったことを全部話した 彼女は僕が話し終わるまで何も言わずずっと話を聞いていた。 蒼「と言うわけなんですよ…」 広「ふぅん…あなたはよっぽど○○君の事が好きなんだね」 蒼「えぇ…まぁ…(///)」 広「それなら想ってばかりじゃなくて行動に移さないと!」 蒼「えぇ!?ぼ、僕には無理ですよ(///)」 広「早く行動に移さないと○○君誰かに取られちゃうかもよ?」 蒼「そ、そんなぁ…」 広「噂をすればなんとやら、ほら頑張れ!」 向こうからマスターと翠星石が走ってきた マ「はぁはぁ…やっと見つけた…」 翠「もう!心配したですよ蒼星石!」 蒼「ごめんね…勝手に行動しちゃって…」 マ「こっちもごめん…蒼星石が居るのに… あんなメイドに現を抜かして…怒ってるよね?」 蒼「僕の気持ちを当ててくれたら許してあげる…」 マ「うーんと…怒ってる?」 蒼「違うよ。」 マ「…ごめん分からない…教えてくれるかな?」 蒼「仕方ないね…マスター、顔出して…」 マ「分かった…でも何をする気かn…んむっ!?」 蒼「くちゅ…くちゃ…ぴちゃ…ぷはぁ…」 僕はマスターの顔に自分の顔を近づけて 僕の唇をマスターの唇に重ねた マ「そ、蒼星石さん…昼間から凄い積極的ですね…」 蒼「これが僕の気持ちだよ、マスターの返事も聞かせて欲しいな。」 マ「俺も同じ気持ちだよ…でもここら辺にしておかないと…ほら」 そう言ってマスターはある方向を指差した 蒼「あっ!」 マスターの指差した先には 頬を膨らませて鬼気迫る表情でこちらを見ている翠星石と ニヤニヤしながらこちらを見てる広美さんが居た 翠「許さねぇです人間!翠星石の蒼星石から唇を奪うなんて…スィドリーム!」 彼女は翠色の人工精霊を呼び何処からか金色の如雨露を取り出した マ「ちょ、義姉さん落ち着いて!まずその物騒な如雨露をしまいましょうよ!」 蒼「翠星石落ち着いて、こんな所で如雨露を出すのはマズイよ…」 何とか翠星石を落ち着かせた後 ただ状況を見てるしかなかった広美さんに事情を説明した 広「へぇ…何か普通の人とは雰囲気が違うなと思ってたけど…まさか人形だなんて…」 蒼「俄には信じがたいと思いますが…」 翠「ちょ、何勝手に言ってやがるですか!」 マ「大丈夫ですよ義姉さん、こいつは信用できますよ」 蒼「あの…広美さん今日聞いた事は…」 広「分かってるわよ、誰にも言わないわよ。」 蒼「それと…広美さんとマスターの関係って…」 翠「何でそんな事聞くですか?」 蒼「そ、そんなのどうでもいいじゃないかぁっ!(///)」 マ「関係も何も…ただの幼馴染って所かな」 広「安心しなさい蒼星石ちゃん、彼と私は貴女が想像してるような関係ではないわよ。」 蒼「そうですか…安心しました。」 翠「話が全く見えねぇですぅ…」 蒼「ほらほら、もう暗くなってきたから僕達は先に帰ろうよ、」 翠「そうですぅ、誰かの所為で鞄もねぇですから、さっさと帰るですぅ。」 蒼「では、マスターと広美さん、お先に失礼しますねー」 こうして色々あった僕達初めての学校は無事大団円を迎えた ちなみにこれは余談ですが広美さんがたまにマスターの家に遊びに来て 僕達と一緒に遊んだりして過ごすようになりました。
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この前うちに蒼星石が来てたときの話なんだけど 真紅も翠星石も雛苺も下にいってたし、蒼星石ほとりなら静かだからいいかなと思って油断してたら ベッドの下に隠してあった本が蒼星石に見つかったんだよね。 「へぇ…JUM君もやっぱりこういうのに興味があるんだ…」とか言いながら ページをペラペラめくっては顔赤くしてたんだよ。 その光景が妙にかわいかったから、次の瞬間には僕が蒼星石を押し倒してた。 しかも真っ赤な顔のまま「…っ JUM君…… 何するの…?」って言ったりするもんだから 僕ももう理性が飛んじゃっていつ真紅達が上がってくるかとかも気にしないで 服の上から蒼星石の胸とかを揉んだりしてたんだよ。 これが思いの他柔らかくて触るたびに「あっ…やめてよ…」とか言って (JUMだけに美味しい思いはさせたくないので省略しました。 JUMだけを木っ端微塵にするには『蒼星石の可愛さは異常^^』と書き込んでください)
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4月も終わりに差し掛かり桜も散り始めてきた。 しぶとく枝にぶらさがっている桜の花を落とそうとしているが如く軽音楽部部室では爆音が鳴っていた。 「ストーップ!!!」 雛苺「翠星石~」 カズキ「さっきから走りすぎなんだよ!!ちょっとは合わせろ!!」 翠星石「そっ、そっちがズレてるですぅ!!翠星石に合わせるですぅ!!ほら、蒼星石も何か言ってやれですぅ!!」 蒼星石「・・・・翠星石。」 翠星石「ほら、あいつらにガツンと!」 蒼星石「これからはちゃんとメトロノーム使おうね。」 翠星石「そっ、蒼星石まで!!」 カズキ「強いだけのドラムじゃダメなんだよ。だから腕太くなるんだ。」 雛苺「それは禁句なのー」 翠星石「太いって・・・・調子に乗るなですぅ!!」 蒼星石「・・・早く練習再開しようね。」 * 蒼星石「翠星石~夕飯できたよ~・・・・・あれ?」 いつもなら部屋のドアを壊すが如く勢いで駆け下りてくるはずなのに返事の一つも無い。 蒼星石「寝てるのかな?」 とりあえず翠星石を起こすために蒼星石は階段を昇った。 蒼星石「?」 翠星石の部屋微かに音が聞こえるのに気付き足を止めた。 蒼星石「・・・なーんだそういうことか」 それは規則的なリズムを刻む音、そしてそれに合わせて何かを叩いている音だった。 蒼星石「邪魔しちゃ悪いよね。」 蒼星石は部屋の前に立って言った。 蒼星石「ガンバレ」 蒼星石は階段を静かに下りていった。 * 翠星石(いてて・・・昨日はあんな練習したから手が痛いですぅ~。んっ?) 翠星石は職員室の前で立ち止まった。 翠星石(カズキですぅ~。なにやってるですぅ?チビ苺ならまだしもあいつは呼び出しくらうような奴じゃないはずですぅ。) 「・・・・でいつになるんだ?」 「はい。一学期が終わったら向こうへ。」 「そうか、お前がいなくなると少し寂しくなるな。向こうの学校でもがんばれよ。この事はいずれお前のほうからみんなに言うんだぞ。」 翠星石(・・・・向こう・・・?いなくなる?転校?) 「はい、わかりました。失礼しました。」 翠星石「!!」 カズキに見つからないように翠星石は身を隠した。 翠星石(カズキが・・・転校・・・・?) 翠星石はいまだ事の次第を受け止められないでいた。 * そして放課後 カズキ(蒼星石・・・。なんかあったのかあいつ?) 蒼星石(わからないよ。朝見たときは元気だったけど・・・。) その日の翠星石はいつもと違っていた。持ち味の強いドラミングが出来ていないし、テンポがズレて文句を言っても一言も発しなかった。 カズキ(雛苺お前同じクラスだろ。なんか知らないか?) 雛苺(カズキきっと翠星石はね・・・・・・・) 雛苺がカズキに耳打ちをする。 カズキ「あ・・・・あぁ~そっそういうことか~はははあははははは・・・・。」 翠星石「帰るですぅ・・・。」 カズキ「じゃ、じゃあな。お大事に。」 * 蒼星石「ん?誰だろ・・・・。」 蒼星石は自分の携帯の音に気付いた。 蒼星石「なになに・・・『今すぐ部屋に来るですぅ。』って、別に口で言えばいいのに。」 蒼星石は読んでいた雑誌を放り投げ二階にある翠星石の部屋へと向かった。 蒼星石「翠星石?入るよ?」 翠星石「・・・・・。」 返事がない。しかしあっちから来いと言ったのだから入っても問題無いだろう。 蒼星石「どうしたの?夕飯ならまだ・・・。」 蒼星石がドアを開けると目を真っ赤にした翠星石がそこにいた。 雛苺「また休んでるの~。」 カズキ「しょうがねぇなぁ・・・。そんなにあいつの風邪酷いのか?」 蒼星石「・・・・。」 カズキ「蒼星石?」 カズキが何回か蒼星石の名前を呼ぶが全く返事がない。 カズキ(どうしたんだあいつ?) 雛苺(最近ずっとあんな感じなの~。こういうときはコレを使うしかないの~。) 雛苺は視線をカズキから蒼星石に向けるとそのまま蒼星石へと近づき蒼星石の耳元へと口を近づけた。 雛苺「きゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」 蒼星石「うわああああああ!!!!!」 マライア・キャリーびっくりのハイトーンボイスを蒼星石の耳元で放つと、蒼星石は悲鳴をあげて尻餅をついてしまった。 蒼星石「ひっ、雛苺?!どっ、どうしたの?!」 雛苺「どうしたの、じゃないの~。最近の蒼星石は変なの~。」 雛苺が少し頬を膨らまして言う。それを見た蒼星石は少し申し訳なさそうな顔をする。 カズキ「何か悩みでもあんのか?」 蒼星石「そそそそんなことないよ!!ちょっと疲れてるだけだよ!!」 カズキ「うわっ急に大声出すなよ。まぁ、無理はするなよ。」 蒼星石「・・・・うん、僕は大丈夫だよ。」 カズキ・雛苺「?」 消えそうな声で呟く蒼星石を見て、カズキと雛苺は顔を見合わせた。 蒼星石「翠星石~話があるからちょっといいかい?」 翠星石からの返事は無い、だがこういう時は大抵入っても大丈夫なので蒼星石は構わず入ることにした。 翠星石「何ですぅ?」 翠星石はベッドに抜け殻みたいに横たわっていた。メトロノームやスティックは寂しそうに部屋の隅に置かれてあった。 蒼星石「今日の放課後に雛苺にカズキ君の転校のことを言ったんだ。」 翠星石「・・・・・。」 蒼星石「そしたら雛苺泣き出しちゃってさ・・・。やっぱりカズキ君と離れたくないみたいなんだ。それでさ・・・・」 翠星石「さっさと用件を言うですぅ。」 蒼星石のふらついた雑談は翠星石によって断ち切られてしまった。一瞬怯んだ蒼星石は深呼吸をして精神状態を整えた。 蒼星石「じゃあ単刀直入に言うよ。カズキ君を僕たちの演奏で送りだそう。」 翠星石「・・・嫌ですぅ。」 蒼星石「え?」 思いがけない答えに蒼星石は思わず抜けた声を出してしまった。 蒼星石「なっ、なんで?」 翠星石「もう全然スティックを握ってないですぅ。ドラムの叩き方も忘れたですぅ。」 蒼星石「でもそれが僕たちメンバーにしか出来ないことだよ?」 翠星石「なんでそのメンバーに転校のことを言わないんですぅ?結局翠星石はその程度のもんだったんですぅ。」 蒼星石「そっ、そんな言い方・・・・。」 翠星石「そんなやつのために曲を演る気にはなれんですぅ。」 蒼星石「翠星石!!」 いつもの蒼星石からは考えられないような大声が部屋中に響くと翠星石はベッドから引きずり出された。 翠星石の言葉にキレた蒼星石は翠星石をベッドから引きずり出すと胸ぐらを掴んだ。 蒼星石「翠星石!!」 翠星石「離しやがれですぅ・・・・。」 蒼星石は鬼のような形相で翠星石を睨みつける。それを見た翠星石は必死に抵抗はしてみるが蒼星石は意外と力が強いのか全く振りほどけなかった。 翠星石「あっ謝るからこの手を離すですぅ!!苦しいですぅ!!」 蒼星石「君がこんな人間だとは思わなかった!!僕はもう君を姉として見ない!!」 そう言い残すと翠星石をベッドへ放り投げそのまま部屋を出て行ってしまった。 翠星石「うっ・・・グスッ・・・蒼星石ぃ・・・・。」 しばらく放心状態だった翠星石は我を取り戻すと、そのまま泣き出してしまった。 * 雛苺「うにゅ~がいっぱい~うれしいの~♪」 大量の苺大福が入ったコンビニ袋も持った雛苺軽やかな足取りで大きな川を跨いでいる橋を歩いていた。 雛苺「あっ蒼星石なの~蒼星石ぃ~・・・・・?」 蒼星石は何かブツブツ呟きながら虚ろな目で川を眺めていた。 雛苺「・・・・蒼星石?」 雛苺が近くまで駆け寄ると蒼星石は橋の手すりに足をかけた。 雛苺「!!」 蒼星石「翠星石・・・ごめんよ・・・。」 蒼星石の胸の中は翠星石への罪悪感で溢れていた。いくらあっちにも非があると言ってもあんな酷い言葉を吐き捨てたのだ、ただでさえ傷心中の翠星石には大きな傷となっただろう。 蒼星石「さよなら・・・。」 蒼星石は手すりに足を乗せた。 雛苺「ダメなの~~~!!!!」 蒼星石「えっ?」 蒼星石の身体を必死に誰かが押さえていた。 蒼星石「雛苺?」 そこには大好きな苺大福の入った袋を放り投げてまで走ってきた雛苺の姿があった。 * 「別にカズキのためでねぇです・・・。」 締め切っていたカーテンの隙間から夕陽が差し込みかすかに照らす。 「蒼星石に怒られたからでもねぇです・・・。」 鏡に映る自分の赤い目を見つめる。 「自分が叩きたいから叩く、それだけです・・・。」 鏡の中の自分に言い聞かせるように言葉を搾り出していた。 翠星石はドラムスティックを握り締めた。 * 雛苺「はいなの~」 蒼星石「あぁ・・・ありがとう・・・。」 雛苺から苺大福を一つ受け取った蒼星石は芯の無い声で感謝を述べる。 雛苺「どうしてあんな事したの~?」 蒼星石「・・・・。」 蒼星石は少しずつ口を動かした。一部始終を話した頃には蒼星石は涙を流していた。 蒼星石「ううっ・・・僕は・・・僕は・・・・。」 今まで黙って蒼星石の話を聞いていた雛苺はゆっくりと口を動かした。 雛苺「あなたが死んで喜ぶ人間は誰もいない。」 蒼星石「え?」 いつもの雛苺とは違う口調に蒼星石は驚いてしまった。 雛苺「ヒナがずっと前にある人に言われたことなの・・・。その時ヒナ頭がおかしくなっちゃったのよ。」 蒼星石「雛苺・・・。」 雛苺「でもその時にさっきの言葉を言ってくれたの・・・。ヒナが死んだら泣いてくれるって言ったの・・・。」 いつもの雛苺のような元気な笑顔はそこには無い。あるのは悲しげな目で遠くを見つめる雛苺の顔だった。 雛苺「その時気付いたの・・・。自分を大事に思ってくれる人がいるって幸せなんだなぁ・・・・。って。」 蒼星石「でもその大事な人に僕は・・・・。」 雛苺「・・・きっと蒼星石の大事な人は蒼星石のことが嫌いになんてなれないのよ。」 蒼星石「ダメだよ・・・。あんなに酷いことしたんだもの。」 蒼星石は俯いたままただただ自分を責め続ける。雛苺はすくっと立ち上がった。 雛苺「きっと・・・きっと翠星石は蒼星石がいなくなったら世界で一番涙を流して悲しんでくれるのよ。」 蒼星石は顔を上げた。瞳には夕陽に照らされた雛苺のとびっきりの笑顔が映っていた。 雛苺「そのうにゅ~蒼星石にあげるの~バイバイなの~!!」 川原には少女と苺大福の入った袋があるだけだった。 * 蒼星石「ただいま・・・・。」 返事はない。蒼星石は翠星石の部屋のドアの前に立つ。 蒼星石「翠星石・・・・。話があるんだ。」 翠星石「・・・翠星石は忙しいからそこで話すですぅ・・・。」 蒼星石「あの・・・さっきのことは・・・・。」 翠星石「・・・・何のことですぅ?」 蒼星石「えっ・・・いやだからさっきの・・・・。」 翠星石「・・・・知らんですぅ。」 蒼星石「そんな・・・ごめんよ翠星石・・・。」 蒼星石はドアの前から離れようとした。 翠星石「記憶に無いですぅ。」 蒼星石「・・・?」 翠星石「朝から今まで翠星石は具合が悪くてずっと寝てたですぅ。蒼星石は今学校から帰ってきたんですぅ。何のことだかさっぱりですぅ。」 ガチャ 言葉が終わると部屋のドアが開いた。 翠星石「おかえりですぅ・・・。」 蒼星石「翠星石・・・・・・ただいま。」 翠星石の右腕には2本のドラムスティックがしっかりと握られていた。 * 「カズキ!!あっちに行っても頑張れよ!!」 「クラスが寂しくなっちゃうな・・・。」 カズキ「みんなありがとう・・・。嬉しいよ。」 今日は終業式。カズキの最後の登校日である。 終業式の後の時間を使ってクラスで送別会をしていた。 巴「カズキ君・・・。今すぐ体育館へ来て。」 カズキ「どうしたんだ?今じゃないとダメなのか?」 すこしやりづらそうな顔で巴に話す。 巴「今じゃないとダメ・・・。ついて来て。」 カズキと巴はクラスから離れ人気の無い廊下を歩き体育館へと向かった。 体育館にはパイプいすが一つだけ置いてあった。 カズキ「どうしたんだ?からかってるのか?」 巴「座ってちょっと待ってて。」 少し不機嫌な様子でカズキは腰を下ろした。 数秒後、ステージの幕が開いた。 カズキ「お前ら・・・・。」 蒼星石「これは僕たちの送別会だよ!!」 翠星石「感謝するですぅ!!」 翠星石がそう叫ぶとスティックでカウントを取り始める。 カズキ「・・・・。」 カズキは無言のまま静かに耳を傾ける。 翠星石「・・・どうだったですぅ?」 カズキ「・・・・プッ、クックック。」 感想を聞かれカズキは笑い声をあげる。 翠星石「何がおかしいんですぅ!!」 カズキ「参ったなぁ。しばらく練習しない間にこんなに上手くなってたなんてな。」 カズキがそう言うとステージにいる4人は顔を見合わせて微笑んだ。 雛苺「でもこれだけじゃないのよ~カズキのために作った曲があるの~」 カズキ「えっ俺のためにか?」 蒼星石「聞いてくれるかい?」 蒼星石の言葉にカズキは首を大きく縦に振った。 翠星石「じゃあいくですぅ!!『I don t say good bye』!!」 カズキ(雛苺ってこんなに声量あったのか・・・。蒼星石もスラップなんて今までできなかったのに。巴もキーボードなんて弾けたんだな。でもそれより・・・。) カズキはステージの奥へと視線を向ける。 カズキ(上手くなったな、あいつ。) カズキは翠星石を見て微笑む。 メンバーの中で一番成長したのは翠星石だろう。 2ヶ月前のドラミングは影も形も無くなっていた。 持ち味の力強さに加えて正確なリズム感がついていた。 カズキ(俺がいなくなっても大丈夫だな・・・。 * 次の日、4人は駅のホームにいた。 蒼星石「もうこれでお別れなんだね・・・。」 雛苺「行っちゃ嫌なの~。」 巴「元気でね・・・。」 カズキ「おい、翠星石はどうした?」 蒼星石「昨日からずっといないんだ・・・。」 カズキ「そっか・・・・。」 カズキは少し寂しげな顔をして電車に乗り込んだ。 カズキ(もうここともお別れなんだな・・・。) カズキは今までのこと思い出していた。その多くはバンドでのことだった。 カズキ(じゃあな・・・。) カズキは窓の外を見た。ちょうどこの辺りからは母校を上から見下ろすことができるからだ。 カズキ「!!・・・・ウソだろ・・・。」 カズキは自分の目を疑った。母校の校庭には確かにこう書かれてあった。 また会うですぅ!! 翠星石 カズキ「あいつ・・・・。」 校庭にはラインを引き終わった翠星石が疲れてへたれこんでいた。 翠星石「カズキ・・・大好きですよ・・・。」 蒼星石・翠星石編 終 真紅・水銀燈編へ/長編SS保管庫へ/雛苺・薔薇水晶編へ
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一昨日蒼星石が家に来たときの話なんだけど 真紅や翠星石達が居間でくんくんのDVD見に行っててちょうど僕一人だったんだ。 僕も健全な男子なわけだし日頃溜まってるものを出すいい機会だと思って エロサイトを開いて自慰開始した直後、ベッドの辺りになんか見えたんだよ。 まさかと思って見たら、蒼星石が一人でちょこんと座ってこっち見てたんだ。しかもPCの画面を凝視してるような体制で。 とりあえずPCが誤作動起こした事にしようと思って立ち上がったら、急に蒼星石が口開いて 「…JUM君… その…不潔だよ…」って言って来たんだ。 顔真っ赤になってるのに冷静さを保とうとしてるその表情がまたなんともいえないような可愛さで、気づいたら蒼星石をベッドの上に押し倒してた。 当然抵抗されると思ったんだけどそういうのとか全然無くて 「やっ… JUM君…だめだよ…」とか「下の皆が来ちゃうよ…?」とか言うだけだったんだよ。 もしかしてこういう事を期待してたのかなと思って、とりあえず服の上から胸を撫でると 「あっ… 駄目、止めて…」とか甘い声を (スレ住人のことを配慮して省略しました。 JUMを双剣で八つ裂きにするには「蒼星石のかわいさは異常^^」と書き込んでください。)
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蒼星石にブツは ついてないよ派(公式派) ├薔薇乙女についてるはずが無いよ派(一般派) │ ├誤解は多いけど絶対に無いよ派(絶対信念派) │ │ ├外見こそらしくないけどしっかり女の子だよ(外観派) │ │ └実は薔薇乙女一の良妻賢母だよ派(内面派) │ ├JUMとくっつくから女の子だよ派(ヒロイン無視次元彎曲派) │ ├自分とレズるから女の子であるべきだよ派(蒼星石とレズりたい派) │ └確認したら自分で無いって言ってたよ派(確実派) │ └蒼は俺の嫁だからある筈無いよ派(大衆的妄信派) │ └きちんと確認したから分かるよ派(エロス派) │ └毎晩可愛がってるから分かってるよ派(絶倫過激派) └付いてようが付いていまいが蒼は大好きだよ派(覚醒派) 付いてるよ派(脱線暴走派) ├付いてるけどその蒼い子は本物かどうか疑わしいよ派(疑惑派) │ ├それ梅岡派(巨大勢力先生派) │ ├それ元治派(アニメ重視ジジコン派) │ └それ一葉派(原作重視ジジコン派) ├女の子だけど付いてるよ派(みさくらなんこつ派) │ ├翠星石とくんずほぐれつだよ派(ふたなり同人誌派) │ └毎晩俺を掘ってるよ派(蒼の異常な愛情派) ├実は男の子だよ派 │ ├あんな可愛い子が女の子のハズ無いよ派(ショタ原理主義派) │ ├薔薇乙女の中でも異端なんだよ派(おちんちんランド派) │ │ └それでももちろん愛してるよ派(わぁい派) │ └本当は乙女じゃないのに勘違いしてるんだよ派(バッドエンド派) │ └まあ夢なんだけどね派(夢オチぶち壊し派) └付いてるけど本人はその事で悩んでるんだよ派(妄想爆発派) ├その葛藤がたまらないよ派(異常性癖派) └ある日起きたら生えてたんだよね派(非日常突入派)
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おとといの大雨・洪水警報が嘘のように今日は実に晴れ晴れとした日だった。こんなピクニック日和に出かけないのは人生における最大のシミとなり、一生引きずってしまう羽目になるかもしれない。ちょっとばかり大げさだが。 しかし心のそこから湧き出してくる感情を抑えるほど俺は器用ではない。まず、この感情の高ぶりを蒼星石にぶつけるべく洗濯物を干しているはずの蒼星石の元へ行くことにした。 俺が庭へ出て、物干し台を眺めるも蒼星石の姿は・・・いた。蒼星石は台をつかって小さい体をフルに使い洗濯物を干していた。 俺は後ろから抜き足差し足忍び足の容量で近づいていく。そして蒼星石のすぐ後ろに立つと、俺は抱き上げるように蒼星石の両脇を持つ。 蒼星石の体は俺に重さを感じさせることなく、宙に浮かんでいく。はとが豆鉄砲を食らったように蒼星石はきょとんとした後、状況を少しずつ理解し、手足をじたばたさせた。 「まっ、マスター!?いきなり抱き上げられたらびっくりす――」 と蒼星石が慌て始めた頃だった。俺の腕が物干し竿にぶつかり、それが台から外れ俺の両腕を襲う。 蒼星石を抱えているため俺は握力を緩めるなんて愚考は犯さなかった。すべての物干し竿が俺の腕にダイブしたあと、俺の両手に抱えられている蒼星石は腰をひねってこちらを向き、愚かな俺に心配をかけてくれた。 「大丈夫?マスター?」 「なんとかな・・・。」 俺は衝撃を受けてぷるぷると震える腕を動かし、蒼星石を地面に戻した。 「ふー、危なかった・・・。もう少しでとんでもないやつらを敵に回すところだった・・・。」 蒼星石は誰だそれ、という面持ちでこちらを見ていた。 俺と蒼星石は手分けして洗濯物を干し、家の中へ戻った。そこで俺は今日というすばらしい日をどうやって消費するかを蒼星石に相談として持ちかけた。 「どこに行きたいって?・・・愚問だね、マスター」 「なにっ!?」 「それはマスターが僕のマスターとして当ててもらいたいな。」 蒼星石は少しだけいやらしい表情で俺に答えを求めた。それこそ愚問だぜ、蒼星石。 「レバー肉専門店か?もしくはそれに順ずる焼肉専門店とか。」 「ふーん、マスターには僕はそう見えてたんだ?」 その反応に俺はしまった、と心の中で舌打ちする。まさか違うとは思いもしなかった。ギャルゲとかなら好感度-1ってところだ。 「僕はお花屋さんに行ってみたいな、マスター?」 「花屋か・・・近いところにいい店があるぞ。じゃあ準備でもしてくるか。」 俺はそういうと財布に札を数枚仕込み、準備をはじめた。 家を出発してすでに5分が経った。見晴らしのいい丘からは目的地である花屋を容易に見つけることができた。俺はより歩を早く進め、まさにピクニック気分といえる蒼星石を先導していく。蒼星石と会話していると10kmでも苦なく歩けそうだ。 さらに7分後。俺たちは花屋に到着した。入り口の外からでも花のいい香りが鼻を刺激する・・・ダジャレではない。 店内に入ると芳香はより強いものとなって俺と蒼星石の鼻を刺激してくる。蒼星石はブランド物のバッグを見ている女性のように花を舐めるように眺め、吟味している。俺は本能的に食虫植物に目が行ってしまう。悲しき男のサガだと信じておこう。 蒼星石はというと、花ではなく、種が詰まった袋を俺に見せた。パッケージには真っ赤な薔薇の写真が印刷されていた。 声には出さないが蒼星石はこれを欲している。真紅の薔薇を咲かすこの種を。俺は目で答え、代金を払う。思っていたより値段は安かったので正直、ホッとした。買い物を終え、俺と蒼星石は花屋から出た。店員さんの声が俺の背中を押した。 「ありがとうマスター」 「ああ。こちらも意外と安く上がったんでよかったよ。」 蒼星石からお礼のお言葉をあずかる。俺にとっての至福の瞬間でもある。しかし、丘に差し掛かったところでこの雰囲気はぶち壊されることになる。 突如、ヴーン、と何かがうなりをあげてこちらに向かってくる。蒼星石とおそろいの鞄。飛行。この2語が俺の中で絡まり、1つの結論を導き出す。 「翠星石!?」 しかし時すでに遅し。その鞄は俺の額に思いっきりぶつかり、なぐり抜ける要領で空中に飛び出す。そしてまた俺の顔の前に戻ってきてから空中静止する。俺は額の激痛でめまいがする。蒼星石は俺が倒れないように後ろから支えている。 すると鞄がバカンと開き、中から暴走運転をしていた張本人が出てきた。彼女は翠星石と言って蒼星石の双子の姉だ。見た目は瓜二つだが性格が大いに異なる。彼女は俺と蒼星石が一緒にいるのを快く思わないらしい。 「ざまあ見ろです、ド低脳人間」 と翠星石はさきほど俺に鞄で体当たりしたときにぶつけたのか、額をさすりながら出てきた。 「そっちも同じ状態にあるぞ。」 「うっさいです!今日こそ息の根を止めてやるです」 と翠星石は物騒なことをさらりと言いのけ、如雨露を手に構えた。大ピンチだ。蒼星石に俺は視線をやる。 「がんばって!マスター!」 蒼星石は丘に配備されているベンチに腰掛けて俺に声援を送っていた。俺が助けを求めると、 「よく言うよね、“子供の喧嘩に親は出るな”って。だから僕はここで慎ましく応援させてもらうよ。」 そうか。単に姉妹喧嘩を繰り広げたくないように俺は見えるのだが。そうこうしている内に翠星石が襲い掛かってきた。 「お前には力を使うのももったいないです!脳挫傷で殺してやるです」 今あきらかに物騒なことを言った。しかしまだ余裕がある。俺は翠星石の仕掛けてきた如雨露での殴打攻撃を右にかわす。 するとその翠星石の像が雲が蒸発するように消えていく。 「残像ですぅ。」 「はっ、後ろっ!?」 俺の背後に出現した実像が如雨露で俺の頭を力いっぱい殴りぬけた。鈍い音がして俺は前に倒れこんだ。 「ええっ?本気?」 と、蒼星石が俺の元に駆け寄ってきた。まさかコントにでも見えたのか。蒼星石は俺のいきなりの転倒に慌てふためいている。 意識が揺らいでる俺に翠星石がにじり寄る。 「・・さ、そこをどくです蒼星石。そいつ殺せない。」 「嫌だ!マスターを傷つけるなら翠星石でも許さない」 数秒前とはうって変わってシリアスな雰囲気になってきた。そろそろ俺の意識をつなぐ糸が限界に達しかけていた頃、俺の口が勝手に1つの言葉を口にした。 「――体は(蒼星石に対する)萌えでできている」 「え、マスター・・・」 「な、なんなんですか?」 2人が大きな不安を胸に抱き始め、それが確信に変わり始めた頃、俺の言葉は終わりに近づいていた。 「―その体は、きっと(蒼星石に対する)萌えでできていた。」 すると突然、世界が白き閃光に覆われたかと思うと、数秒後に別の世界が現れた。萌え盛る炎が壁を築き、世界から隔離する。 後には荒野。無数の蒼星石のポスターが乱立した、ポスターの丘だけが広がっていた。 「固有結界・・・これがお前の能力ですか・・・人間!」 「驚くことはない。これは全てただの萌えポスターだ。 人を傷つける力はない無力の存在だ。」 俺は右手を丘に刺さった一枚のポスターに手を伸ばし、握り、そして一気に引き抜いた。 「だがな、ポスターが如雨露に負ける、なんて道理はない。お前が如雨露を振るうなら、その悉くを受け 無力に変えよう。」 俺は一歩踏み出した。目前には世界樹の枝を操るドール。 「いくぞツンデレ女王――水の貯蔵は十分か。」 「は――思い上がりやがったですね人間!」 奴は“門”を開け、如雨露を召喚する。 荒野を駆ける。一対である二つの群は、ここに、最後の激突を開始した。 ―何分経っただろうか。俺と翠星石は以前と己の武器を打ち合っている。その力の差は互角、といってところだ。 しかし俺の魔力の消費が激しい。このまま持久戦が長引くとまずいことになる。そう思った俺いったん距離をとり、 丘からポスターを4,5本抜き出す。それを翠星石に向かって投げつけた。翠星石は一本目をかわすが、2本目の追撃により右腕を封じられて、左腕、右足、左足、と次々と四肢をポスターに封じられていった。 俺は翠星石に近づき、とどめを刺そうとした瞬間、俺の目の前にひとつの光球―人工精霊だ。目を守ろうとしたときにはすでに遅く、目くらましを食らったあとだった。 俺は目が見えずに2,3歩後ずさりをする。俺の力が弱まったため、ポスターが灰となって粉砕される。自由になった翠星石は俺に如雨露を構えた。 「これで終わりです人間。おまえにしてはよくできた方です。 冥土の土産に翠星石の宝具を飲み込んでくたばるがいいですぅ」 別にそんなものは飲み込みたくないが、そんな俺の気持ちもむなしく、翠星石は宝具を展開させた。 「スイドリーム(湿濡らす甘露の如雨露)!」 俺の意識が四方に拡散するのを感じた俺は、蒼星石に最後の言葉を託そうとした。 「蒼星石、頼む。奴を止めてくれ。このままだと世界は混沌の渦に飲み込まれてしまう。」 「わかったよマスター・・・。でも、別にあれを倒してしまってもかまわないんだね?」 「ちょ、蒼星石、何を言ってるですか!?」 「翠星石。僕らはもはやマスターを違えた。ローザミスティカを奪い合う敵同士だ。」 その言葉を全て聞く前に俺の意識は宙へと飛んでいった。 俺は不意に目を覚ました。俺は布団で寝ていたようだ。あたりを見回すと、自分の部屋だという確信は得られた。 時計を手にとり眺めると針は9時を指している。カーテンが閉められ、そこから闇が部屋を侵食していることを考えると今は夜らしい。 倦怠感が体に重くのしかかるが、それを跳ね除けて俺は居間へ行くことにした。 居間には蒼星石がテレビを見ながら湯飲みに注がれたお茶を飲んでいた。蒼星石は俺に気づくと 「目がさめたんだねマスター」 と声をかけてくれた。俺は蒼星石に昼間、何があったか訊いてみた。 「何って、僕とお花屋さんに行ったじゃないか。ほかに大したことは起きてないよ。」 そう振舞ってくれた蒼星石だがどこか裏があるような笑顔だった。それに、その言葉では俺が眠っていた理由を証明することはできないわけだが。 「えーっと、そうだ。帰ってきた途端、マスターが疲労で倒れたんだよ。きっとそうだよ。」 きっとそうだよ、って・・・。しかし俺は貧血気味なのかフラフラするためその日は蒼星石のレバニラ炒め+αを食し、再び寝ることにした。 これは後日談だが、翌日、俺は翠星石が持っていた物と同じような如雨露を使って買ってきた薔薇を育てている蒼星石を見た。俺はそのことについて触れることはしなかった。
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マ「ねえねえ、夏休みはどう過ごすのがいいかな?」 蒼「うーん、朝はだらけず早起きしてご飯もきちんと食べて・・・」 マ「ほうほう。」 蒼「それでせっかくだから運動する時間もとって体力を付けて・・・」 マ「うん・・・。」 蒼「だけど勉強も疎かにせず知的な・・・」 マ「ちょっと待った!」 蒼「何?」 マ「そんな模範的な過ごし方を聞きたいのではなくってさ・・・。」 蒼「そりゃあ別に聖人君子みたいになってくれなくてもいいんだけど・・・ 言っちゃなんだけどさ、マスターって夏休み最終日に徹夜で宿題を仕上げてたタイプでしょ?」 マ「そんな事無いぞ!」 蒼「あ、そうなんだ。失礼な事を言っちゃってごめんね。」 マ「徹夜しても終わらなかったなんてのもザラだった!」 蒼「威張らないでよ。」 マ「ごもっとも。・・・で、聞きたいのはそういう事じゃなかったんだって。」 蒼「じゃあどういう事?」 マ「蒼星石は自分の夏休みをどう過ごしたいのかなって事。」 蒼「夏休み?別に僕には夏休みも何も無いじゃない。」 マ「いやあ、そりゃそうだけどさ、何かしたいことは無い?海に行きたいとか。」 蒼「海ねえ、何をしに?」 マ「え、ああっと・・・イルカさんとお友達になるとか?」 蒼「そんな事できるの?」 マ「ごめん知らない。でも希望があれば調べるし、場合によっては翠星石とかにも呼びかけるから。」 蒼「マスターが?」 マ「うん、たまには翠星石と水入らずでしばらく過ごしたいとかあるんじゃない?」 それを聞いて蒼星石がちょっと考え込む。 蒼「あのさ・・・厄介払いなら・・・普通に言ってくれれば・・・」 マ「え?」 蒼「たまの長期休みだもんね。誰かとどこか行くの?別に僕は独りで居ればいい・・・」 マ「違う違う!そんなんじゃないよ。ただちょっと思いついたから・・・。 本当に何でもいいんだよ?香港に行って美味しい物いっぱい食べたい!とかでも。」 蒼(ああなるほど、今日見に行った映画の影響か) ようやく唐突な発言の理由が分かり安堵する。 蒼「それなら別にいいよ。わざわざそんな時間を設けてもらわなくても不満も無いし。」 マ「たまの機会にやってみたいなって事の一つや二つは・・・」 蒼「無いよ。」 マ「でもさ、自分でこうしたいって事があっても普段はなかなか思うように出来ないでしょ?」 きっぱりと断言するもマスターの方も一向に引き下がる気配が無い。 マ「いつも良くしてもらってるからさ、ちょっとしたお返しって事で可能な限り力になりたいんだ。 例えば思い出の場所があるならそこまでは連れて行けるかもしれないし、 もっと単純にこれ食べてみたいなとか欲しいなってのとかがあれば買って来るとか出来るだろうしさ。」 蒼「うーん、気持ちはありがたいんだけど、特に無いなあ。」 マ「別に難しく考えなくてもいいよ?夏休みなんて言い方も意識しなくていいし。 こういう事したいってのがあればそのために時間と労力は割かせてもらうよって事だからさ。」 蒼「時間と労力か、でもそんな長くは無理だよね?」 マ「二、三日くらいなら余裕でなんとかなると思うよ。出来る限り頑張るからさ。」 蒼「・・・そうだなあ・・・翠星石やみんなには内緒にしてもらえる?」 マ「もちろん。細かく話したくなければ詮索したりもしないよ?」 蒼「約束だよ?」 マ「うん、約束ね。」 蒼「じゃあね・・・」 翠「翠星石、満を持して参上!」 マ「あ、いらっしゃい。」 テーブルに着いたマスターが元気よく現れた翠星石を出迎える。 マ「今日は何の用?」 翠「夏休みだから真紅の提案でくんくん尽くしを開催するですよ。」 マ「ほう。」 翠「くんくんが名探偵としての開花を遂げる劇場版『くんくん、誕生!』から時系列に沿ってマラソン上映をするのです。」 マ「そりゃあハードだね。」 翠「まあ夏休みですからね。で、蒼星石はどこです?お誘いに来たんですが出かけてるんですか?」 蒼「いや、ここに居るよ。説明も聞いてた。」 翠「ありゃりゃ?」 蒼「残念だけど今回は参加を見送らせてもらうよ。」 翠「んー?」 翠星石が声を頼りにテーブルの周りを回り込むとさっきまで隠れていた蒼星石の姿が見えた。 翠「おやまあ、そんな所に居たんですか。」 蒼「うん・・・変かな?」 さっきまでは丁度テーブルの陰に隠れている形だったが、蒼星石はマスターに抱っこされていたのだった。 翠「いや、別に変じゃないですけどね、今までそうしてるのにお目にかかった事は無かったので・・・。」 マ「あはは・・・」 翠「で、なんでそんな事をしてるんですか?」 マ「え、ああそれは・・・」 蒼「・・・・・・。」 蒼星石がマスターを見上げてくる。 その目が何を言いたいかは言葉で聞かずとも分かる。 マ「えーとね、夏休みしか一緒にこうして過ごせないし、たまにはゆっくり一緒に過ごさせてって・・・“僕の希望で”!」 翠「お前が、ですか?」 マ「うん、“僕が”!!」 翠「・・・ふむ、あまり蒼星石を振り回すんじゃないですよ?」 マ「はい。」 蒼「ごめんね、そういう事だから今回は不参加で頼むよ。」 翠「仕方ないですね、くんくん尽くし第二部にまた誘いに来るです。 ちなみにくんくんカムバックの劇場版『ミッシングくんくん』から開始ですよ。」 蒼「了解。わざわざごめんね。でも四、五日の間は無理だから。」 マ「四、五日!?・・・いや、そうなんだよ。」 翠「四、五日ですか・・・まあいいですよ。代わりに年中夏休みの人間で妥協しときますから。」 蒼「あ、それと・・・」 翠「大丈夫ですよ。他の連中には適当に説明しておきますから。それじゃあ失礼しますよ。」 翠星石が踵を返す。 マ「もう帰るの?お茶くらい出すけど。」 翠「他の連中が待ってるし結構ですよ。それにせっかくわがままに付き合ってくれてるのなら時間を大事にしろです。」 マ「あ・・・分かった。」 蒼「じゃあここからでごめんね。」 翠「構いませんよ。じゃあまた。」 翠星石がそう言って部屋から出て行った。 蒼「ふふっ、ばれなかったみたいだね。」 マ「怒られなくて良かった・・・。」 蒼「そうだね、もっと何か言われるかと思ったよ。」 蒼星石がほっとしたようにマスターに寄りかかった。 そんな蒼星石を見てマスターも思わず微笑むと、改めて蒼星石を抱き寄せる。 翠(やれやれ、双子の姉をないがしろにして・・・腹に据えかねるのも確かですが・・・ 隠してたつもりかもしれませんが、蒼星石が幸せそうなら姉としては引き下がるしかありませんね) そんな風にして蒼星石は一週間程の楽しい夏休みを過ごしたのだった。
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蒼星石「な、無い!?」 スーパーのレジの前で、必死になってバックの中や、ポケットの中を探す蒼星石。どうやら、財布をどこかに落としてしまったようだ。 翠星石「なーにやってるですか?ここは翠星石が立て替えといてやるから、おめーはさっさと交番に行きやがれですぅ。」 蒼星石「で、でも…」 翠星石「しっかりしやがれですぅ!カードとか免許証とか、早く申告しないとまずいですよ!」 そううながされて、交番へ走る蒼星石。 その後、何とか警察の元で全ての手続きが終わり、急ぎ蒼星石は翠星石の元へと戻っていった。 蒼星石「ゴメンね、待たせちゃって…。」 翠星石「ホントですぅ。しっかし、あんなに慌てた蒼星石見るのも、久しぶりですぅ♪」 蒼星石「そりゃ慌てるよ…。はぁ…まいったな、給料日までだいぶあるのに…」 翠星石「どれ、1回そのバック貸してみろですぅ。おめー慌ててたから、見逃しただけかもしれないですぅ。」 そういい、半ば強引に蒼星石のバックをひったくると、中をゴソゴソと探し始めた。 翠星石「うーん…ホントに無いですねぇ…。ま、次は気をつけるようにするしかないですぅ。」 蒼星石「そうだね…。あ、ちょっとお手洗いに行ってきていいかい?」 そういうと、蒼星石はその場を離れた。 蒼星石「はぁ…ホント、何やってるんだろう…」 鏡の前で、そうつぶやく蒼星石。 「でも、いつまでもこうして落ち込んでいるわけにはいかない…。さっき翠星石が言っていたように、次は気をつけるしかない」と気持ちを入れ替える。 手を洗い、バックの中からハンカチを出そうとする蒼星石の目に、見慣れぬ銀行の封筒が飛び込んできた。 封筒の中には、現金3万円と、ATMの利用明細書が1枚。日時はほんの数分前で、その残高はほとんどなく、なけなしのお金を引き出してきたようだ。 …そういえば、さっき翠星石は袖に何かを隠していたような… そのことに気がつくと、慌てて翠星石の元に戻りそれを返そうとする蒼星石。 蒼星石「バックの中にお金が入っていたんだけど、これは君のお金だろう?流石にこれは受け取れないよ…」 翠星石「はぁ?知らねーです。きっと、神様かなんかが、哀れに思って入れてくれたんじゃねーですか?」 蒼星石「…でも…。」 翠星石「うだうだ言ってねーで、とっとと帰るですよ。もうお腹ぺこぺこですぅ。」 その後、どんなに言ってもお金を受け取ろうとしない翠星石。最後には、返そうとすると怒り出す始末だった。 帰りの電車の中、いつの間にか蒼星石にもたれかかって寝てしまう翠星石。 その寝顔は、とても穏やかなものだった。 本当に、翠星石には感謝してもしきれない…。いつも自分の前を歩く翠星石の姿を見て、正直嫉妬したこともあった。でも、こんな事されちゃ敵わないな…。 空を仰ぎながら、蒼星石はそんなことを考えていた。そして、これからも一緒にいられたら… 翠星石「翠星石は…ずーっと…一緒ですよ…。」 突然の発言に、びっくりして翠星石を見る蒼星石。 しかし、そこにあったのは、さっきと同じ穏やかな寝顔…。その寝顔を見て、「もしかして、同じ事考えているのかな…?」などと思い、思わず笑ってしまう蒼星石。 蒼星石「そうだ…。このお金は、君がお嫁に行く時にちゃんと返すからね…。」 電車に揺られながら、蒼星石は小さくそうつぶやいた。 完